「SILENT HILL f」について

今回は、シリーズの伝統と新たな挑戦を併せ持つ話題作『SILENT HILL f』をご紹介します。海外を舞台にしてきた従来作から一転、1960年代の日本・山あいの町を舞台に据えた本作は、和の美しさと不気味さを同時に提示する演出が特徴です。豪華な制作陣と綿密に練られたシナリオ、そして濃密な音響演出が組み合わさり、プレイ後も余韻が残る強烈な体験を与えてくれます。

ゲーム概要

『SILENT HILL f』はコナミデジタルエンタテインメントより2025年9月25日に発売されたサイコロジカルホラー作品。Unreal Engine 5 を採用し、PlayStation 5、Xbox Series X|S、Windows（Steam / Epic / Microsoft Store）向けにマルチプラットフォームで展開されています。ディレクターはアル・ヤン（楊承圃）、開発は香港のスタジオ・ネオバーズが担当、プロデューサーは岡本基。シナリオは『ひぐらしのなく頃に』などで知られる竜騎士07が手がけ、アートはイラストレーター kera、音楽には山岡晃や稲毛謙介らが参加するなど、豪華な布陣が揃っています。対象年齢はCERO：Z（18歳以上）で、表現は意図的に際どく、成人向けの濃密なホラー描写が含まれます。

舞台は岐阜県の下呂市や金山町がモデルとされる架空の町「戎ヶ丘」。プレイヤーは女子高校生・深水雛子（しみず ひなこ）を操作し、ふとしたきっかけで町全体が霧と異形に覆われる状況に巻き込まれていきます。表世界と裏世界（言葉にしづらい“異界”）を行き来しながら、町と自分自身の隠された真実を暴いていく構成です。物語は一周目のエンディングが固定で、2周目以降に分岐が解放される仕掛けを持ち、シリーズらしい周回プレイでの真相解明も意識されています。

ゲームプレイは探索と戦闘、謎解きが中心。日本家屋の閉塞感を活かした室内探索、ふすまや障子といった和風オブジェクトの使い方、そして足元から聞こえる動物的な音や物音で恐怖を煽る演出が秀逸です。武器は鉄パイプや包丁、バットなどが登場し、近接戦闘を通じたサバイバルも味わえます。雛子の行動や選択が物語に影響する局面もあり、単なるホラー演出に終わらない“選択の重み”が作品全体を支えています。

レビューの傾向・評価

海外の批評や総合レビューでも高い評価を受けており、Metacritic の集計では批評家スコアが 86（Generally Favorable） と高評価に位置づけられています。評論家の多くは「和風ホラーへの回帰」「竜騎士07の濃密なシナリオ」「音響と演出の巧みさ」を高く評価する一方で、難解さや表現の過激さを指摘する声も散見されます。

国内レビューでは、ファミ通が本作を高く評価。「遊べば遊ぶほどさらにプレイしたくなる刺激的かつ危険な魅力」に満ちているとし、竜騎士07の得意とする昭和的な恐怖感、そして和家屋の閉塞的演出やサウンドデザインが“ジャパニーズホラー”の本質を強く刺激すると評しました。特に「微かな物音」「障子やふすまの“少しだけ開いた”演出」が心理的な恐怖を増幅させる点を高評価ポイントとしています。

電撃オンラインでは、TGSで話題になった体験型展示『SILENT HILL f 残置物展』のオンライン公開も伝えられ、イベントによる世界観の補強やファンとの接点づくりがうまく機能している点が注目されています。会場体験が好評を博したこと、オンライン版が一般にも公開されたことで本編の余韻を延長できる試みが評価されています。

ユーザーの肯定的な意見では、

• 和風の舞台設定と雰囲気作りが独特で、視覚・音響ともに高い没入感を生む
• 竜騎士07によるシナリオが生む“昭和的な狂気”の表現が強烈で記憶に残る
• 表世界と裏世界の対比、探索と謎解きのバランスが良く、周回プレイで新たな発見がある

反対に、批判的な声としては次のようなものがあります。

• 戦闘の難易度が高く、ストーリーに集中できない
• 怖いと思えるシーンが少なく、ホラーゲームとしてはいまいち
• ストーリー把握に周回が必須だが、変化に乏しく退屈

まとめ

『SILENT HILL f』は、シリーズの魅力である「日常の隙間に忍び寄る不安」を和風の文脈に落とし込み、なおかつ現代的な技術で再構築した意欲作です。竜騎士07の痕跡を色濃く残すシナリオは賛否を呼びやすい濃度を持つものの、シリーズのファンや和風ホラーを好むプレイヤーには強く刺さる作りになっています。視覚・音響・演出のトライアングルが有機的に結びつき、探索中の一瞬一瞬に体温や息遣いが宿るような体験を提供してくれる点が最大の魅力です。

一方で、表現の過激さや難解な仕掛けは人を選ぶ要素でもあります。体験中に気持ちが揺さぶられること、また敏感な描写に不快を覚える可能性もあるため、プレイ前に年齢制限やコンテンツ警告（CERO：Z）を確認することをおすすめします。

総じて、本作は「じっくり怖がりたい」「和風の陰鬱さに浸りたい」「物語と周回で真相を味わいたい」という方に心から薦められる一本です。新たな『サイレントヒル』として、あるいは和のホラー表現の到達点の一つとして、ぜひ体感してみてください。

「SILENT HILL f」を配信したVTuber

vGamesでは5人のVTuberの「SILENT HILL f」配信がまとめられています。

最新の「SILENT HILL f」配信動画

最新の「SILENT HILL f」配信動画を紹介します。気になる動画があればチェックしてみてください！

まとめ

vGamesでは5人のVTuberの7本の「SILENT HILL f」実況動画がまとめられています。特に白上フブキの配信が人気で、このゲームの魅力を多くの視聴者に届けています。もし「SILENT HILL f」に興味を持たれた方は、VTuberの配信動画をチェックしてゲームの魅力を感じてみてください！